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JR紀勢線と地域の共生を 和歌山県南部の赤字路線、異業種チームで提案

地域活性化案を発表するすさみチーム(20日、和歌山県白浜町で)
地域活性化案を発表するすさみチーム(20日、和歌山県白浜町で)
 赤字が続く和歌山県のJR新宮駅(新宮市)―白浜駅(白浜町)間を走るローカル線「紀勢線」と地域社会の共生をテーマに、地域課題解決策を考える学習プログラムの最終報告会が20日、白浜町であった。紀南の3チームが電車や駅舎でのイベントなどを盛り込んだアイデアを発表し、関係者らが実現に向けたアドバイスをした。


 多様な業種、業界からなる企業メンバーと地域行政、地域の大学生、JR西日本が協働して地域課題の解決に取り組む学習プログラム「ことこらぼ×きのくに線」。日本能率協会マネジメントセンター(東京都)、JR西日本和歌山支社(和歌山市)、南紀白浜エアポート(白浜町)、和歌山大学(和歌山市)が協力して開催した。

 プログラムには、大手企業5社9人、自治体職員4人、和歌山大の学生3人、JR西日本社員3人の計19人が参加。6~7人の3チームに分かれ、7月から約3カ月かけて現地研修やオンラインミーティングなどを通じて、少子高齢化、人口減少、空き家の増加などの課題解決案を考え、この日、発表した。

 新宮―白浜間の2021年度の輸送密度(1キロ当たりの1日平均利用者数)は731人。21年度まで3年間の年平均赤字額は約29億5千万円となっている。

■子どもたちの教育旅行に

 報告会で、すさみチームは、町内の農林水産業者への取材を基に、都会の子どもたちを町内に招く教育旅行を提案。魅力のある町民との触れ合いを重視した旅行であると強調し、電車内で町の特産品「すさみケンケン鰹(かつお)」について学び、調理、実食するプランを盛り込んだ。

 同支社の松田彰久副支社長と和歌山大の西川一弘教授が各チームの提案について講評。実現に向けたアドバイスをしたり、課題を指摘したりした。

 オンラインで参加した同支社の富澤五月支社長は「素晴らしい発表だった。ビジネスモデルのヒントがちりばめられていたと思う。皆さんの熱意ある提案を受け止め、しっかりと検討に結び付けていきたい」と話した。

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